日本七宝作家協会

第57回 日本七宝作家協会国際展(公募) 選評
内閣総理大臣賞  
大園 恵実
Osono Megumi
《 乖離する空間 》
審査委員 桂 盛仁
(重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝))
造形の素晴らしさが目に入った!!
要らない線を取り除き最低の線・面で造形した立体の鹿。彫塑の傑作に感服!
神秘的印象の鹿本体に有線七宝で苔むして水が流れ森林が続き動物が居て空に鳥が飛ぶ自然環境全ての情景を表現してある。見る人に自然の中に入り込む感覚が湧き出てくる。自然と都市の乖離する空間を行き出来るように。未来永劫のために。 この感覚は作者の意図に嵌ったか!!箔を取り入れ細太の銀線を使い粒子の荒さの違う釉薬を使用するなど七宝技術の向上を図って制作した優作である。
大園恵実
文部科学大臣賞  
斉藤 芳子
Saito Yoshiko
《 history of people 》
審査委員 手錢 吾郎
(鍛金作家)
本作品 斉藤 芳子 作「history of people」は、七宝技法の平面作品として迫力のある構図と独特な色彩に作者の意図が込められている優秀な作品である。
色合いや質感にこだわった表現方法は平面作品としても魅力のあるものであり、本作品に至る迄のデザインの検討や色彩計画など、作者による七宝技法の研究成果が画面によく現れていると感じる。
また、本展に於いては二作品の出品で本作品が選出となったが、連作としても魅力を感じるものであり、今後の制作作品と同連作との関連〜継続〜展開が期待できる点も評価したい。
よって本作品「history of people」を優秀と評価し、日本七宝作家協会国際展 文部科学大臣賞の受賞に相応しい作品とします。
斎藤芳子
造幣局理事長賞  
松田 敏江
Matsuda Toshie
《 未来へ 》
審査委員 小林 弘昌
(前あま市七宝焼アートヴィレッジ館長)
この作品は、かつて作者が亡夫と共に旅行で訪れた先の房州で見たストックが咲き乱れる花畑の様子を表したものだそうです。力強く天に向かって伸びる茎の先に咲くストックの赤い花びらが印象的です。  立体作品としてはそれほど大きなものではなく、形も特に変わったものではありませんが、花畑に並んだ花の茎・葉・花びらをそれぞれ力強く囲んだ植線の表現と技術に感心させられました。
 また、背景全体に横向きに入れられた線の表現が、かえって上に伸びる花の勢いを強調しています。  特別な技巧を凝らさず、真面目に、丁寧に有線七宝の技術を発揮して作られた作品です。
松田敏江
東京都知事賞  
田中 清美
Tanaka Kiyomi
《 共存共栄 》
鑑・審査委員長  岩田 広己
(日本七宝作家協会会長)
現代の混乱する社会に対して、作者が願いを込めた共存共栄と題された本作品は、曼陀羅の特徴的な意匠を取り入れた同心円状に花紋をあしらい、 七宝技法において代表的な手法であり質の高い有線七宝技法により表現されている。作品の意図とするように技術的な手法だけに留まらず、 混迷する現生の闇をも意味する黒地の背景に配置された花紋は、平和を願う思いが込められ、象徴的な作品として存在感を感じることができる。 また、花紋の一部の有線七宝の下地には金属箔が施され、七宝釉薬の透過する特徴的な性質を活かし、表情を豊かにさせ落ち着いた色彩が互いに 影響し合い、清楚な華やかさとして好感の持てる秀作である。曼陀羅という二次元的なデザイン要素の均衡や奥行きなどを配慮すると、更に飛躍した作品となり今後の活躍を大いに期待できる作品である。
田中清美
審査員特別賞  
Mandy Rasch
Mandy Rasch
《 FLOWERS OF THE NIGHT 》
審査委員  長谷川 淑子
(七宝造形作家)
最初、この作品に出合った時は「漆」?と見間違えました。ドイツの作家が日本のどちらかと云えば地味な黒蒔絵(黒の漆地に黒で文様を描く)の技法を知っていたかどうかはわかりませんが、スティール素地に黒のほうろう釉を塗り焼成した後次に微粉釉薬を何度もコンプレッサーで厚く塗りかためて細かく花模様をかきわっています。黒蒔絵と逆の方法で彫って模様を浮立たせています。
全体が黒一色にもかかわらず角度によって微妙に表情が変わる美しい作品です。
ヨーロッパではイギリスの作家もそうですが銅や銀素地にこだわらず鉄素材のほうろう七宝を作る人が増えているようです。
マンディ ラッシュ

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