日本七宝作家協会

第53回 日本七宝作家協会展(公募) 選評
内閣総理大臣賞  
小西 舞衣
Konishi Mai
《 my feelings 》
審査委員 飯野 一朗
(東京藝術大学名誉教授)
有線七宝を中心に銀の透かし、四分一に銅の切嵌象嵌、裏座には全て銀を使用し、 金具・仕上げとも装着性を考えて制作されている。
七宝と回り縁の金属もまとまりが良く賞にふさわしい作品である。
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文部科学大臣賞  
瀬在 千恵子
Sezai Chieko
《 大江戸遊々 》
審査委員 長谷川 淑子
(七宝造形家)
「遊びをせんとや生まれけむ」の古語にもあるようにいつの時代でも 無邪気に遊ぶ子どもの姿は微笑ましいものです。江戸時代の子供がどの様な遊びをしていたのか詳しくは知りませ んが子どもの絵本のようにカラフルな七宝を焼かないであえてモノクロームの色調でまとめ、アクセントに朱色を 効かせたのが新鮮です。有線七宝のぎこちなさが子どもの描画のように素朴ですが背景を微妙な色使いのかきわり 技法でまとめたコントラストが見事です。思わず画面の一つづつを覗き込む楽しさがあります。
造幣局理事長賞  
清水 順子
Shimizu Yoriko
《 追憶 》
審査委員  白幡 明
(公益社団法人日本工芸会理事/諸工芸部会長)
底部にふくらみを持たせた安定感のある形。
  全体に「ツルウメモドキ」の若い実と葉をほど良く散らしたデザインである。
色使いも緑の明暗で統一した。
稙線と研磨、破錠の少無い作品となり、今後の作品が多いに期待出来る作家であろう。
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審査員特別賞  
飯高 瑞子
Iidaka Mizuko
《 この地に心継ないで 》
審査委員  関根 正文
(公益社団法人 日本ジュエリーデザイナー協会顧問)
この作品を見て最初に、柏の葉の制作の丁寧な仕事に眼を奪われた。 大きな画面が一枚の七宝で作られている様に感じられ、葉の組み合わせのデザインは緻密な計算があるのだろう。 柏の葉の下の赤が葉のシルエットを引き立てている。その中に開いた本を配置し左は花火、風車のページがあり 右は教会と花々を有線で表現している。そこに作者のタイトルにある想いを感じる。 右下にはページを少しめくるような感じは更に様々なシーンがあるのだろう。柏の葉の表現だけでなく想いを含ん だ優作である。
審査員特別賞  
藤村 公子
Iidaka Mizuko
《 イスタンブールの想い出 》
審査委員  関根 正文
(公益社団法人 日本ジュエリーデザイナー協会顧問)
イスタンブールのブルーモスクでしょうか。20枚の長方形の七宝板を継ぎ合わせた大作である。
モスクの印象を三層に分けその境目が違和感なく繋がり、逆に幻想的な雰囲気とモスクの大きさを引き立てている。それらの表現は作者 の力量を感じさせるものがあり次作の作品も楽しみである。
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