日本七宝作家協会

第51回 日本七宝作家協会展(公募) 選評
内閣総理大臣賞  
肥後 永子
Higo Eiko
《 ある母の日 》
審査委員 関根 正文
(公益社団法人 日本日本ジュエリーデザイナー協会副会長)
今回新たに設けられた内閣総理大臣賞を肥後永子さんが初受賞されました。
「ある母の日」という作品は母上の蚕を育て、紡ぎ、織物へという、時折の仕事ぶりを身近に見てきた頃を思い起こし、母に対する思いを表現した作品でしょうか。 全体に黒を基準とし中央付近に織られた布を象徴的に置き、黒の平織りの
格子の下に緑や赤が垣間見え、抑えた色調にアクセントを与えている。周りに桑、蚕、繭や機織り機、杼、 糸車などが黒地に銀線の線描表現がリアルで鋭い
観察力を持った作者の力量を感じました。落ち着いた色彩ですが、優れた作品
となっていると思います。
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文部科学大臣賞  
青木 由美子
Aoki Yumiko
《 雨に咲く 》
審査委員 山田 禮子
(公益社団法人 日本ジュエリーデザイナー協会会員)
香合の殆どの中は裏七宝を使用の処、この作品は中も同じ図柄を入れ、丁寧な
仕事で凝っている。
葉みどりの中にブルーをわずかに使ったところも効果的で美しい。
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造幣局理事長賞  

木村 美津枝
Kimura Mitsue

《 古城 》
審査委員  原 典生
(日展 特別会員)
心技一体の集中力による緻密な表現は七宝作品としてのあるべき姿を
示している。
徹底した「技」へのこだわりで器体全面を細かい文様で埋めつくした「密度」
による存在感は、見る者に感動を与える。
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審査員特別賞  

田中 清美
Tanaka Kiyomi

《 botanical 》
審査委員  白幡 明
(公益社団法人 日本工芸会理事・諸工芸部会長)
硝子胎七宝である。当展覧会での出品作品としては非常にめずらしい。形は
平凡であるが、光を受ける為の形状となっている、植線、色、共に美しい、
特に色のボカシが効果的である。又、黒色が全体を引締め、メリハリの効いた
作品として評価したい。
51_004thum

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