第47回 日本七宝作家協会展 選評 |
文部科学大臣賞 |
竹田 道子 |
《 春霞 》 |
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審査委員 山田 禮子 |
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(公益社団法人 日本ジュエリーデザイナー協会 名誉会員) |
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今まで多く見てきた蓋物としては、まず形がユニークで、空に浮かぶ雲のようなかたちで全体を見せている。
そして雲の下の部分に、色の美しい、かなり技術的には卓越した図柄を施して裏は花色木綿の逆を行った、大変気取った作品である。
七宝の技術、デザイン性も念頭に制作した夢多い秀作。
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造幣局理事長賞 |
神田 テル子 |
《 陶と七宝のコラボレーション「杜」》 |
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審査委員 原 典生 |
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(公益社団法人 日展評議員/公益社団法人 日本七宝作家協会顧問) |
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調和のとれたシックな色彩でまとめ、フクロウがたたずむ静かな夜の森の雰囲気がよく表現されている。
パーツの分割と重ね方に工夫を凝らし、平面の中に奥行きを感じさせる。
月の表現に七宝らしさが加わればさらにグレードの高い作品になったと思われた。 |
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日本七宝作家協会会長賞 |
飯髙 瑞子 |
《 郷愁 》 |
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審査委員永井 鐵太郎 |
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(公益社団法人 日展理事/公益社団法人 日本七宝作家協会顧問) |
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ともすれば、塗料の重ね塗り状で重苦しいといわれる七宝だが、本作は厄介な金属の透かし彫りの大作を新工夫であっさりと仕上げて、爽やかで心地よい快作である。
夕日に映えるふるさとの情景や草花にも細やかな愛情を注ぎ、温かく胸が熱くなる。
七宝のすそ野は広く楽しい。うれしくなる。ありがとう。 |
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審査員特別賞 |
黒崎 泰子 |
《 Landscape 》 |
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審査委員 白幡 明 |
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(公益社団法人 日本工芸会理事・諸工芸部会部会長) |
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大降りな蓋物である。
巨木を中心になんとも「にぎやか」。「天真爛漫」と言うべきか。
全体にちりばめられた作者の思い「楽」「夢」「自由」が、観るものに伝わり、作者の意思を強く感じる。
力作を評価したい。 |
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